変えよう!会の新しい政策、ぜひご覧ください。
<ともに日弁連を変えよう!市民のための司法をつくる会>

2023年3月30日、宮崎県で、有志の弁護士会員の方々と、意見交換会を行いました!

2023年3月30日に,変えよう!会代表の及川智志ほか支援者の弁護士と宮崎県の弁護士会員有志の方々との意見交換会を開催させていただきました。

リアル+オンラインでの会議で実施し、大ベテランから60期代の若手弁護士まで幅広くご参加頂きました。
①民事裁判のIT化と本人サポート問題、②法テラス(低額な報酬等)の問題、③法曹人口問題、④②と③の関係性、⑤日弁連の政策実現の継続性などについて、率直なご意見をいただき、有意義な意見交換となりました。

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いただいたご意見のうち、いくつかのご意見の要旨をご紹介します。

このページの内容

【法曹人口問題、変えよう!会の政策実現について】

・司法試験合格者数について「1000人以下」を目指すといっても、「どうやるのか」ということを考えないといけない。これを実現するには会員の相当多くの声がないといけない。全会員の半分以上が1000人以下という声、会員のエネルギーが必要。
日弁連を変えないといけない。どうやって変えるのか。
変えるだけの組織を作る、また、全会員の合意を白日の下に出す、アンケートも重要だが、本音が出るようなアンケートを全会員からとることが重要だと考える。
・変えよう!会の「六つの重要政策」について、どういう過程で、どう実現するかを提示しないといけない。
「こうやったらできる」というのを会員に示さないとインパクトがない。
・法曹人口問題は若い弁護士が、もっとも影響を大きく被っている切実な問題。
だからこそなんとかしたいと思っているが、若い人が表立ってアピールすることについて躊躇しているのではないか。そのエネルギーをどれだけ日弁連内でくみ取っていけるか。
・現状、日弁連会長の任期である2年間では、政策実現が中途半端な形で次の執行部に行くようになってしまっている。その点をどうやって政策実現を継続していくのか。
変えよう!会の政策についても、短い期間で6つもの政策をやり切ることは難しいのでそこを考えて欲しい。
・新司法試験の理念自体は正しい部分もあったと思う。
(及川代表 コメント)
日弁連の法曹人口問題についての「検証結果」について説明。
「さらなる(司法試験合格者数の)減員を提言しなければならない状況にはない」
→ここには、国民人口減少といった要素についての長期的な視点がない。
日弁連の各単位会に対する意見聴取でも反対・賛成しないという会が27会で過半数を超えていた。それにも拘わらず、このような「検証結果」になってしまった。
2022年の司法試験の合格者は1403人で、新試験導入以降、過去最少だが、合格率は約46%もの数値になっている。
合格者1500人(以上)政策を続けると、毎年弁護士が1000人ずつ増えていく。
10年でさらに1万人も増える計算となる。
宇都宮日弁連会長の時に、法曹人口の対策本部ができた。
その構成も、各単位会から一人は入るようにした。
過激な意見を言う人も入って平場で議論できる組織だった。
しかし、現在の実現本部は、傍聴すらできず、しかも会長指名の委員しか入れない。
もっと会員一人一人の意見が反映される必要あり。
全会員アンケートも実施すべき。
単位会でも「1000人以下決議」が、挙がっている。
千葉も。埼玉は700人。他会でも同様に決議を上げていく必要がある。
きちんと反対の声を単位会から上げていけば、合格者減員にかじを切るべきだという 必要あり。
現在の主流派出身の執行部ではこの法曹人口問題についての政策転換はできない。

日弁連の政策については、「つないでいくこと」と「転換していくこと」の双方が必要。
「法テラス改革」は現在、小林会長がやっているので継続していく。
「谷間世代への一律給付」もつないでいくべきこと。
転換すべきは司法試験合格者数、法曹人口政策。
長期的な視点で政策転換し、司法試験合格者数は1000人以下にすべき。
この問題は日弁連が動かないと、だれも変えてくれない。
会員の無力感があふれている。
一人ひとり、単位会の声が大事にされているという手ごたえが必要。
WEB総会は検討されているが、変えよう!会の政策として実現する。
WEB総会や全会員アンケートは、会員を覆っている無力感から脱するカギの1つだと思う。法テラスについてもWEB苦情箱を設けて、日弁連が意見をぶつけていくようなこともありうる。

【民事裁判のIT化 本人サポート問題について】

・本人訴訟は紙媒体でやりたい人は、紙媒体でできるので、弁護士会がITのサポートをする必要はないとおもう。
日弁連の姿勢は、司法書士会への対策が本音ではないか。司法書士に仕事を取られないようにという日弁連の姿勢、「ポーズ」ではないか。
・日弁連の会議ではなかなか慎重論が通らない。
「形式サポート」なのか「実質サポート」なのかを、日弁連は意図的にあいまいにしている。自分は、当然「形式サポート」のみだと思っていたが、日弁連はそこをあいまいにしている。司法書士会も「形式サポート」と言いながらも、内実が非弁行為になってしまうことを気にしている。
このままだと「実質サポート」が絶対に入ってくる。
WGで出ている議論は、セントラルキッチン方式で日弁連でやる方法、もうひとつは各単位会でやるという方法。決着がついていない。
・単位会によっては絶対に(本人サポートを)やらないというところもある。
隣の単位会に振るという話や弁連がやるという話もあるのかもしれないが実際には難しい問題がある。
(及川代表 コメント)
日弁連はポーズかもしれないが、最高裁の方は着々と動いている。
きちんと弁護士会としての態度を示さないといけない。
どこまでの「サポート」をするのか。
「実質サポート」になると弁護士以外がやると非弁行為になりかねず、法律事務の委任とどこが違うのかということになってくる。
「形式サポート」だったら、弁護士がやる必要はない。
弁護士(会)がやる場合、本当に「形式サポート」で収まるのか。
ご本人の属性によっては、弁護士会に不合理なクレームが殺到する可能性もある。

【法テラスの問題 報酬 手続】

・法テラスは方針変更の際の返金の問題、手続の手間が煩雑すぎたり、弁護士報酬の水準
が安いというイメージがある。法テラスがもっと使いやすく、弁護士報酬も上がるとよい。
・健康保険のように差額を国費で負担するなどもありうると思う。
基準が明確ではないのでトラブルになることもある。
・現状の報酬基準だと、任意整理8社と破産8社では任意整理の方が弁護士報酬が高い。破産で途中で辞任になると、着手金が返金となってしまう問題がある。
・法テラス事件が8~9割という地域では、それで弁護士が生活できなければ無理。
地方で法テラス事件しかなければやっていけないので新しい会員が入ってこない。
法テラスの件数が多いというのは、必要性があるということだが、報酬の問題を同時にみないといけない。
・法テラスの弁護士報酬の水準を上げると本人負担が増えるので、国費負担が必須。
今の報酬水準では若手には厳しい。
(及川代表 コメント)

先日(3月3日)の日弁連臨時総会で決議が採択された。
政府に対して予算を求めていくのが小林会長の方針。
ひとり親の養育費について法テラスの立替がなく弁護士が回収することになっていたが、法テラスが立替払いして本人は分割になった。
溜まっていた養育費の回収をした場合でも、一括償還で手元に残らないような事態をなくす必要がある。
「資力回復困難要件」を満たさないと償還免除にならなかったが、ひとり親で小さい子供を抱えていたら免除になった。法務省がその方向で動いている。日弁連の対策本部で勉強会をしていて、一番わかりやすいひとり親対策について小林会長になってから勉強を始めた。この部分については成果は上がっている。
給付制にしたら今ある償還金110億円の分をどうするのか。
報酬基準を上げるともっとお金が必要になる。
実現可能性、継続可能性は不明。
発想の転換が必要で、エンドユーザーの国民と日弁連が組んで、本人の償還負担を軽くして弁護士費用も高くせよという声をあげていく必要がある。

お話をお聞きしていると、会員の皆さんが、弁護士人口の過剰増員に日弁連が消極的であることやIT化の「本人サポート」についての懸念、法テラスの問題(特に不合理な報酬の低額さ)への危機意識を強く感じます。
いずれも、変えよう!会でも、重要な問題として捉えている問題です。

そして、現在の日弁連ではいずれも取組が極めて不十分なところだとおもいます。

こうした会員のご意見に,日弁連はきちんと応えていく必要があります。

ご参加頂いた皆さま、本当にありがとうございました!

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