ご挨拶

ごあいさつ

弁護士の仕事は、まさに自由と正義で生きていける仕事。

私は計7年間の会社員生活を経験した後に弁護士になりました。組織の中で自らの良心に従って行動することの限界を感じたからです。弁護士になって、はじめはそれほどではなかったのですが、次第に弁護士の仕事が好きになりました。いまの社会で、何ものにも拘束されず、自分の正義と良心に従って仕事をして、暮らしていける・生きていける職業というのは、そうそうあるものではありません。もちろん自分なりの正義と良心は磨き続けなくてはなりませんが、弁護士の仕事は、まさに自由と正義で生きていける仕事です。ですから、私は、弁護士の仕事が好きです。

逆に言えば、正義や自由がないのであれば、弁護士の仕事をしていても意味がないと思います。自由と正義で生きていけるということこそが弁護士という職業の核心であると考えます。

ところが、いま、司法改革の結果、弁護士という職業が重大な危機に直面しています。1999年、政府に司法制度改革審議会が設置され、以来、本格的に司法改革が推進されました。この間、全国の弁護士は激増し、一方、裁判所の事件数など弁護士需要は増えず、弁護士の所得は半減しました。弁護士の存立基盤が脆弱になり、弁護士間の過当競争が繰り広げられているのではないでしょうか。ビジネス化の波が押し寄せ、これに乗れない弁護士が淘汰されつつあるのではないでしょうか。経済的利益の配慮が人権擁護の要請に優越するようになってはいないでしょうか。過酷な労働条件で使用者に完全に従属して働くことを強いられるいわゆる「ブラック事務所」で勤務し、自由と正義で生きていくことができない若手弁護士が増加しているのではないでしょうか。

私は、早急に司法改革の誤りを正すことによって、弁護士の使命や在野性を護り、自由と正義で生きていける弁護士という素晴らしい仕事を次世代に繋いでいかなければならないと考えます。

まず、一番に正さなければならない司法改革の誤りは、弁護士人口激増政策です。日弁連の予測によれば、いま4万人強の全国の弁護士数が10年後には5万人を超え、20年後には6万人を超えます。1年で1000人の増加ということですが、これは東北弁連(または北海道弁連)が毎年ひとつずつ増えていくのに等しい増加ペースです。いまの日弁連は、こうした予測をしながら、この激増を受け入れ、抵抗しません。

そこで、全国の弁護士有志が集まって、日弁連を変えていくため、「ともに日弁連を変えよう!市民のための司法をつくる会」(略称「変えよう!会」)を2019年6月8日に設立しました。弁護士が誇りを持って生き生きと働き続けるため、いまこそ連帯する必要があるのではないでしょうか。

「間違った司法改革をほんとうに止めることができるのか。」、そんな声も聞きます。「政府とのパイプを大切にしなければならない。」との声も聞きます。しかし、政府とのパイプを誇っていた今までの執行部は、日弁連や弁護士の環境悪化を変えられなかったのではないでしょうか。本気で変えるには、世論の支持を集めることが必要です。世論の支持を集めれば、変えられないと思われたことも、変えることができます。

たとえば、多重債務者の破産・自殺などの惨劇が大きな社会問題となるなかで、この問題の解決のために全国の弁護士が参加して、消費者金融(サラ金)等の高金利に対する厳しい規制を実現した貸金業法改正。運動を始めた当初は、「改正なんて無理だ。」という声が大きかったのです。しかし、市民団体と連携する。院内集会を開く。各地で集会や街頭宣伝を行い、署名を集める。地方議会に対して国会や関係行政庁に意見書を出すよう働きかける。弁護士のみで活動するのではなく、市民の協力を得て、市民とともに運動し、世論を味方につけ、政治を動かし、国の政策を変える。そのような手法により、貸金業法改正を実現することができました。司法修習生に対する給費制の1年延長、修習給付金制度も、実現することができました。

法曹人口問題、給費制の完全復活・「谷間世代」の不公正是正、法テラス改革についても、会員が団結して、本気で市民に語りかけ、市民とともに運動して、世論を味方につけ、政治を動かすことにより、必ず今の状況を変えることができるはずです。できると信じて、全力を尽くし、必ず今の状況を変えなければなりません。

多くの会員の皆様が、変えよう!会に賛同してくださることを切望いたします。

わたしたちは,日弁連のここを変えたいと考えています。
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及川 智志(おいかわ さとし)

〒271-0091 
千葉県松戸市本町5-9 浅野ビル3階 市民の法律事務所 
電話047-362-5578 FAX047-362-7038
メールアドレス: shimin.lo☆nifty.com (☆部分を@に変えて送信ください)

›略歴

1965年5月26日に宮城県石巻市で出生。小学生のときに父が経営していた水産加工会社が倒産して夜逃げ、東京、静岡と引っ越しを繰り返し、静岡県清水市(当時)の清水東高校を1984年に卒業。

同年に早稲田大学法学部に入学、同校を1988年に卒業後、百貨店(丸井)に就職、紳士服売り場に配属。2年半ほど勤めたものの、会社組織になじめず、転職して、業界紙(化学)の記者となる。しかし、記者生活にも自由の限界を感じ、結局、これも4年ほどで辞め、アルバイトをしながら司法試験に挑戦。1996年に司法試験合格、1999年に弁護士登録(51期、千葉県弁護士会)。

同会では、消費者問題委員会、社会福祉委員会、憲法問題特別委員会、公害防止・環境保全委員会などに所属。弁護団活動では、サラ金(消費者金融)やヤミ金融などの高金利被害事件、商工ローン被害事件、武富士会社更生事件(取締役責任追及訴訟)、ダム問題や廃棄物処分場・ゴミ・残土問題などの環境事件、東京電力福島第一原子力発電所事故に関する損害賠償請求事件などを経験。2017年度千葉県弁護士会会長。