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<ともに日弁連を変えよう!市民のための司法をつくる会>

法テラス改革を徹底する(民事)

(民事法律扶助報酬の適正化、運営の合理化)

 日本司法支援センター(法テラス)は、法務省の管轄下にあり設立当初から官僚的運営が危惧されていましたが、現在のあまりにも低額で不合理な報酬のあり方を見直し、民事法律扶助の報酬(及び実費)を引き上げることを、日弁連の重要課題にするべきです。
 2023年3月3日の日弁連臨時総会で「民事法律扶助における利用者負担の見直し、民事法律扶助の対象事件の拡大及び持続可能な制度のためにその担い手たる弁護士の報酬の適正化を求める決議」は成立しました。利用者負担の見直しや対象事件の拡大はもちろん大切ですが、一方で、法テラスの報酬が不当に低廉であることのアピールは足らず、また、法律扶助の申し込みの資料収集等を弁護士にさせていることや、依頼者側の事情による途中解除の場合でも着手金を返還させられること等々といった不合理な運営に対する批判は、ほとんどみられませんでした。
 法テラスの報酬が低廉にすぎること、法テラスの運営が不合理であること、このままでは法テラスを担う弁護士が疲弊してしまって法律扶助を継続できないおそれがあることについて、日弁連は、全国の会員の意見・苦情を集約し、これを背景として法テラスと協議すべきですし、その協議の内容を全国の会員に開示すべきです。さらには、その内容を広く社会にアピールし、世論を味方につける努力もしなければなりません。
 利用者負担の見直し、対象事件の拡大、報酬の引き上げ、不合理な運営の改革は、すべて同時に実現されなければなりません。報酬の引き上げや不合理な運営の改革が置き去りにされるようなことがあってはならないのです。
 そのためには、日弁連会長が先頭に立ち、全国の弁護士会と弁護士が一丸となって闘う必要があります。
 なお、民事法律扶助報酬の引上げのための予算の問題については、過去の日弁連の運動を参考にする必要があります。例えば、弁護士費用の敗訴者負担制度を撥ね返したときや、司法修習生給費制の1年延長のときの運動や修習給付金制度創設のときの運動のように、法律扶助のエンドユーザーである市民や、社会問題に取り組む市民団体と連携し、さらに、全国での署名活動、与野党の国会議員への働きかけ、地方議会からの意見書提出の働きかけ、院内集会やシンポジウムの開催などを通じて世論喚起することが必要です。 
 そこで、日弁連会長が積極的に声明等により社会に意見を発信していくとともに、日弁連内に各単位会から最低1人の委員が参加し、会長を本部長とする「対策本部」を設置して情報を集約し、日弁連が一体となって、そして全国の弁護士会と弁護士が一丸となって、前記のような運動に邁進できる体制を構築するべきです。
 声を上げなければ改革は永遠に実現しません。政府との摩擦を恐れず、日弁連として、言うべきことは正々堂々と主張するべきです。持続可能な人権擁護活動のために、10年後、20年後、そして40年後も50年後も弁護士が精一杯元気に人権擁護活動に取り組んでいけるようにするために、日弁連は、改革の実現に向けた運動を強力かつ継続的に展開していかなくてはなりません。

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