僕が2017年度山口県弁護士会会長だった年,及川智志さんも千葉県弁護士会会長として,ともに日弁連の理事を務めました。
理事会で感じたのは,法曹人口,ロースクールなど司法改革の問題になると執行部の空気が一変し,真摯に同じ方向を向いての議論ではなくなり,国会での政府答弁・官僚答弁のような,結論先にありき,何かに拘束されているような,頑なな姿勢でした。
主流派の流れを汲む誰が会長になっても,このくびきから逃れられない筈です。変えられるのは,しがらみのない,変えよう!会(代表・及川智志さん)しかいません。
もう一つ,日弁連執行部の姿勢で問題なのは,改憲の動きにも及び腰であることです。
9条2項を正面から変える案だと,埼玉弁護士会などが決議したように,憲法改正の限界を超えるというハードルの高い議論で合意形成する必要があります。しかし,9条の2を加える案は,9条2項を意味のない空文にする,国会の単純多数で自衛隊にフルスペックの集団的自衛権も含むものすごい権限を付与できてしまうとかの問題があり,憲法を蔑にする,憲法秩序を破壊するという,政策的な価値判断以前の問題として,法律家として看過できない筈の案です。その角度から,これまで日弁連が意見表明してきた延長線上で反対と言えると思うのですが,執行部は合意形成を早々に諦め,その結果が昨年の定期総会の国民への情報提供に努める旨のはっきりしない決議です。
僕は,実は司法改革と改憲はつながった問題だと思っています。
司法改革は行政改革・政治改革に続く国の形の変革,即ち,改憲の仕上げと言われます。
改憲について,変えよう!会(代表・及川智志さん)の重点政策の中で,日弁連が明確に反対の意思表示を行い危険性を国民に訴えていく必要を説いていることに,僕は強く共感しまた。
この道を一緒に進みたいと思います。