全国行脚日誌

2019年9月30日午後3時30分過ぎから 長野県弁護士会館

松本から1時間あまり、高速道路をひた走りましたが、予定されていた開始時刻に少し遅れてしまいました。しかし、議論は熱かった!いただいたご意見の概要は以下のとおりです。

・地方から日弁連会長を出すべき時代である。ほんとうに地方の会員の生活の実情をよく知り、会務に専心をしているまともな弁護士の意見を日弁連執行部は充分に吸い上げるべき。

近年の日弁連執行部は、過去の踏襲であり、地方の弁護士の声をまともに聴いていない。それを改革する必要がある。司法制度改革審議会が矢継ぎ早に政策を出し、法化社会の理想、弁護士が足りないと、司法試験合格者3000人の目標を立て、法科大学院も創設した。法テラスも設立された。裁判員裁判も始まった。あれよあれよと司法改革が進んだが、第一線の経験が反映されなかったことに一番の問題がある。

改革があまりに急速で極端に進んだ。制度改革というのはあまりに急激にやるものではない。いろいろなひずみの検証が必要。司法制度改革の検証をやるべき、そのための組織を作って、弁護士の立場から検証するべき。これまでの候補者は言うだけで、誰ひとりとしてやらなかった。そのなかで法曹人口の問題が深刻になった。いまや決定的に弁護士過剰。地方でもそれははっきりしている。地方の弁護士会では司法試験合格者1000人以下にするべきと強く主張しており、長野でも平成22年から訴えているが、いまだに日弁連は1500人に固執している。

過剰になったことによって競合状態になり、法律扶助、国選依存が高まった。1日も早く、まともな弁護士がまともに活動できるようにしないと、とりかえしのつかないことになる。弁護士は自由主義者であるべき。そこに弁護士の魅力と価値がある。

・中坊弁護士の「弁護報酬はお布施」には違和感があった。弁護士を2倍にするなら裁判官も2倍にするべきと言っても相手にされなかった。裁判官、検察官は予算の関係で増えていかないのに、弁護士だけに司法改革のつけがまわされている。

・法テラスの収入要件は地方では全ての20代に当てはまる。

・弁護士事務所を維持していくためには、事務員のキャリアアップ、事務員家族の生活の確保なども重要になるので、そうした配慮もしてほしい。

・弁護士を辞める人も増えているので非弁の取り締まりにも力を入れていってほしい。

・憲法を巡る状況において、タイムリーに意見を言える日弁連にしてほしい。

・効率化、お金を使うな、シンポや集会はできるだけ少なく、など最近の日弁連は言うことがおかしくなっている。これ以上人権のための仕事をできないと明言する理事もいて、驚きを隠せない。こういう問題に正面から取り組まなくてはならない。

・地方の意見を法テラスや日弁連に出していかなくてはならない。裁判官や検察官は増えていないし、司法官僚が壁になっている。弁護士ばかりが増えていて、司法界全体は風通しが良くなっていない。法曹人口、法曹養成、根本的に考え直す必要がある。

・自分1人が食べていけてプロボノ活動ができていれば良いなあと思っていたが、法テラスには締め上げられ、自治体は弁護士を無料で使うのが当たり前ということになり、若手は生活と奨学金や貸与金の返済で苦しい。人権擁護活動に参加する弁護士が減って、ものすごく苦しい状況になっている。さすがにこれはおかしいなと思うようになっている。

・受験時代に即独、ノキ弁の報道を見るようになり、愕然とした思いになったのを覚えている。法曹人口問題についてあたりまえに減らせと言ってほしい。

・原則論、言うべきことを言ってほしい。昔の日弁連は言いたいことを言っていた。司法改革のころから内部から多少なりとも変えた方が良いという方向になったが、やはり原則論を言うべき。弁護士会は、医師会みたいに裏から手を回せない団体なのだから。

・ここ3~4代の日弁連会長は忖度、腰砕けの会長になってしまっている。最高裁は人権擁護の最後の砦、最高裁で弁護士出身判事が改革をしたが、最近の最高裁判事の任命は弁護士枠が無視されてしまっている。由々しき事態だが、日弁連執行部は事実関係を明らかにしたり抗議をしたりしない。その帰結が、大崎事件(えん罪事件)で再審決定をひっくり返した最高裁の棄却決定。著しく正義に反すると、有罪にするために言う最高裁、これに何も言えない日弁連には重大な問題がある。

・法テラスについてどう考えているのか。範囲を広げるのか。人権擁護活動をやる人とやらない人に二極化している。無関心層をどうするのか。

・日弁連との距離はすごくある。よくわからないところで決められている。日弁連には何を言っても無駄なのではないかと思っているところもある。地方の声を届けていってほしい。若手に希望を。

・法テラスの基準を変えようと言われてもピンと来ていない。こういう基準も仕方ないのではと思うこともある。依頼者の負担をどうするのか、自分たちの利益のためだけに声を上げるのはどうかと思う。

・人権擁護大会プレシンポに70人参加。記者会見はたった2人。弁護士会の発信力が落ちている。弁護士会の発信力を充実してほしい。そうすれば会務活動も頑張ろうという気にもなる。

・法テラスの給付制の実現と償還免除の拡大がとても重要だと思う。養育費減額請求など、実際やった仕事に比べ報酬が低すぎるが、依頼者の負担は重い。実父に対する認知請求で、高校生にも免除を認めないといったひどい実情がある。

・以前は、弁護士になったプライド、弁護士って良いな、人権擁護を担うという、究極的な一体感が弁護士同士にあったが、いまや単なるサービス業者のライバルのようになっていて残念に思う。

・谷間世代ではあるが、弁護士になったら人権擁護活動をやるべきだと思っている。しかし、貸与金償還をなくしてくれるのではないかという日弁連への淡い期待は裏切られた。20万円を日弁連からもらっても、それじゃない。見捨てられたという感覚。一生懸命やっても評価されていないのか、と会務にも積極的になれない気分。若手が人権擁護活動をやらないのは、そんなこともある。

・谷間世代に対する日弁連からの支援20万円を請求する時期や手続がよく理解できない。タイミングを失してしまうともらえない人が出てくる。そういう不具合は撤廃してほしい。