声明・申入

申入書

2020年6月2日

日本弁護士連合会
会長 荒 中 様

           「ともに日弁連を変えよう!市民のための司法をつくる会」(変えよう会)
代表 及川 智志

申 入 書

新型コロナウイルス対策に心血を注いで来られたことに敬意を表します。非常事態宣言が解除される中、警戒心を緩めることなく本来の本格的な会務に復帰すべく取り組みを進められていることと存じます。

さて、本年の会長選挙で、会長はいくつもの重要な公約を掲げて当選されました。その中には、多くの会員がその実現を切望してやまないものがあります。私たちは、本格的な会務の始動に当たり、是非そうした公約を誠実に実現していただきたく、以下のとおり申し入れを行います。

1 法曹(弁護士)人口問題

会長は、当会からの公開質問状に対する2020年(令和2年)2月25日付回答書において、司法試験合格者数の1500人がすでに実現したことを踏まえ、「更なる減員」についての検証を速やかに行い、遅くとも任期中には結論を出すことを約束されました。そして、その検証作業においては、「検討組織の見直し作業を行い、各単位会から推薦される委員を含めた組織において、会内の広範な意見が反映されるよう」にすることも約束されました。

現在、この問題に関連する組織としては法曹養成制度改革実現本部が存在していますが、同本部は理事会内対策本部になっており、各単位会の会長(理事)以外は、単位会の意見を代表する立場の委員がほとんどいない状態になっています。そして、理事会の中で短時間、同本部の会議が開かれているのが実状ですが、それはほとんど理事会の議論と大差ない状況であり、細かい実務作業をすることを含めて専門的見地から行うべき検証作業には適さない現状があります。そこで、理事会に提案する原案を作成するために、専門的・実務的な作業を行う組織を確立する必要があります。そして、この組織には、前記公約どおり、全ての単位会から各1人以上の委員が推薦され、会内の広範な意見が反映されるようにする必要があります。

是非、こうした組織を早期に確立して、全会員が納得できる検証作業が行われるようにしていただきたく、要請する次第です。

2 谷間世代支援・給費制復活問題

会長は、前記回答書において、「法曹を養成することは本来国の責務である」とした上で、日弁連は、「国に対し修習給付金相当額の一律給付を求めていく活動を積極的に展開していく必要があります。」と述べておられます。そして、「会長は、司法修習費用問題対策本部の方々とともに院内集会に出席することはもちろんのこと、国への働きかけ、国会議員の方々への働きかけ、関係諸団体への協力や支援を求める活動を行っていく必要があると思っています。」と、運動の進め方についても示唆されています。是非これらの公約を守り、谷間世代支援・給費制復活を目指す運動を日弁連として力強く推し進めていっていただきますよう要望いたします。

3 弁護士職務基本規程改正問題

会長は、前記会長選挙において、現在問題になっている弁護士職務基本規程の改正案については全て反対である旨を表明されました。現在は、前年度の理事会にかけられた上記弁護士職務基本規程の改正案がまだ活きている状態にあるのではないかと考えられますが、是非、上記公約を守り、同改正案を速やかに白紙撤回していただきますよう要望いたします。

4 法テラス問題

会長は、前記会長選挙の選挙公報において、「法テラスは、すべての人が法の援助を受けられるようにする重要な役割を担っていますが、報酬基準が業務量に見合っていないという声が聞かれます。」と指摘し、「実態を踏まえた問題点の改善に全力を傾けます。」と公約されました。

法テラスの問題点は、「報酬基準が業務量に見合っていない」だけでなく多岐にわたっており、法テラスに対する会員の不満は、今や爆発寸前と言っても過言でない状態になっています。こうした会員の声に是非とも耳を傾けていただき、法テラス改善の処方箋を日弁連としてまとめていただくことを切望いたします。

そして、少なくとも会長が選挙で公約された、報酬基準の業務量に見合った見直しについては、早期に具体的な行動を起こしていただきますよう要望いたします。

5 弁護士費用保険問題

会長は、選挙前に配布された政策要綱の中で、「弁護士費用保険の公正さを維持し、安定的な発展を図ることも重要な課題です。」と述べておられます。この点については、例えば自賠責保険の事前認定で非該当とされた後遺症に基づく損害賠償を請求する場合、後遺症による損害部分については着手金が支払われないといった事例が全国で発生し、弁護士業務の円滑な遂行に支障が生じるような事態も見られるようになっています。

これは、弁護士費用保険の公正さが疑われるだけでなく、このような紛争が弁護士と保険会社との間で多発すれば、弁護士費用保険の安定的な発展の阻害要因にもなり得ます。問題点はこのような例に限られませんので、是非、弁護士費用保険についても実態調査をしていただき、「弁護士費用保険の公正さを維持し、安定的な発展を図る」方向での取組を強めていただきますよう要望いたします。

6 会長選挙規程改正問題

会長は、前記会長選挙において、現在の日弁連会長選挙規定には多くの問題があることを指摘されました。300万円の納付金は廃止するべきですし、選挙運動の自由を拡大するべきです。そのための具体的な行動に速やかに着手されることを要望いたします。

なお、会長選挙規程の改正に関する当会の具体的な意見をまとめて、別途書面でお届けいたしますので、これもご参考にしていただければ幸いです。

7 意見交換

当会といたしましては、以上の要望について、さらに詳しく口頭で説明をさせていただきたいと考えております。そして、その場で、執行部の皆様と意見交換もできれば幸甚に存じます。

具体的な日時・場所・方法・参加者等の事前の打ち合わせについては、当会の及川智志から日弁連宛にご連絡させていただきますので、ご調整のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。

以上