全面証拠開示と検察官の不服申立禁止等を内容とする再審法改正の実現を目指します。
日本においては、再審は、「開かずの扉」と言われるほど、そのハードルが高く、えん罪被害者の救済が遅々として進まない状況にあります。それは、それぞれの事件に固有の問題ではなく、現在の再審制度が抱える制度的・構造的な問題からです。
個人の尊重を最高の価値として掲げる日本国憲法(憲法13条)の下では、無実の者が処罰されることは絶対に許されず、えん罪被害者は速やかに救済されなければなりません。そのためには、再審請求手続においても、適正手続の保障が必要です(憲法31条)。しかし、現行の再審法(刑事訴訟法第4編再審)の規定は、わずか19条しか存在せず、裁判所の裁量に委ねられている事項が非常に多く、その判断の公正さや適正さが制度的に担保される仕組みになっていません。
したがって、えん罪被害者の速やかな救済のためには、憲法の理念に沿って、再審法の在り方を全面的に見直すことが必要です。とくに、再審請求手続における全面的な証拠開示の制度化と、再審開始決定に対する検察官による不服申立ての禁止の2点は、早急な法改正を要する喫緊の課題です。