政策のご案内

1 弁護士の労働環境の改善を進めます

前記した、第69期及び第70期の「弁護士就業状況アンケート集計及び分析結果」の自由記載欄を見ると 、「ボスのパワハラ、過干渉、会務を実質的にやらせない、弁護士業務以外の負担が大きい、仕事を教えない、外部と交流させない等いわゆるブラック事務所が多いです。

このような実態を知らないまま就職してしまい、苦労したり、退職してしまう同期を何人も見ましたし、私もその一人です。」

「労働時間をなんとかしてほしい。特に、完全な雇用ではなく、業務委託のようなグレーゾーンの場合。」、「働き方改革などと世間では言っているのに、それを推進するはずの弁護士の世界は働き方が古いと感じます。委任契約を盾に残業代も支給せずに長時間労働(法定労働時間の2倍は働いています)を強いられていますが、実態から見れば何ら雇用契約と変わりません(指揮命令関係、労務対償性ともに明白)。

今、同じ改革が遅れている医師業でも改革が始められています。是非、弁護士業界も自浄作用によりこの問題に取り組んでほしいと強く思います。」、「パワハラ等問題のある事務所が多いので制度的に改善してほしい。」、「70期だけで既に40人以上が離職したと聞き、その多くが、いわゆるボス弁のパワハラまがいの態度と聞いている。自分も同様の理由で転職活動中であるが、日弁連乃至各弁護士会が何かしらの対応をとっていると聞いたことがない(認識していないとは考えられない。)。

悪質な事務所については懲戒の対象になることを示し、ある程度指導していただきたい。」

「弁護士は長時間のハードワークにも耐えられるようなエネルギーが必要であり、生理などの不調のため休んだり3カ月以上の産休、育休をとるようなやわな女性には勤まらないという風潮を変えてほしい。」

「ハラスメント及び、給与不払い等についての調査、公表を行ってほしい。」など、弁護士には長時間労働、女性への差別的扱いやセクハラ・パワハラが蔓延しており、「ブラック企業」と同じ「ブラック事務所」も多数あることが浮かび上がります。

弁護士は労働者ではなく業務委託に過ぎないと言って、セクハラやパワハラなどのハラスメントや差別という重大な人権侵害について何ら対策を行わないことは、人権擁護の担い手であるはずの弁護士にとって許されません。

これらの問題を解決し弁護士の労働環境を改善するための制度的な対応に緊急的に取り組む必要があります。それは日弁連の責務です。

セクハラのみならず、SOGI(性自認や性的指向など)ハラスメントやパワハラについて、受任事件の処理のための研修だけではなく、自らがハラスメントを行わないよう弁護士の行動を変えるための研修の導入、そして、すでに窓口を設置している弁護士会の取り組みを参考に、全国的な相談の窓口の拡充などにより、ハラスメントの撲滅に取り組みます。

具体的には、現在日弁連に設置されているセクハラ相談窓口の相談対象を元会員(登録を取り消しても相談できるよう)や通訳等に拡充し、SOGIハラスメントも対象であることを明記し、さらなる広報に努めます。そして、パワハラ相談の窓口の新設と、実態調査を提案します。

さらに、若手弁護士の働き方に関する問題については、勤務条件のミスマッチや入所後のトラブルを防止するため、勤務時間、休日休暇、給料・収入、個人事件の受任の有無等、最低限合意すべき事項について定めたガイドラインを策定します。

また、ひまわり求人求職ナビが就職活動において活用されていることから、同ナビの記載事項を見直し、たとえば離職率、勤務条件明示書面の交付の有無等の項目を加えるといった工夫をすることも有意義であると考えます。