2021年9月3日 長野県(ZOOM会議)①10時30分~12時  ②13時30分~15時15分

by 事務局 | 2021年9月3日 11:51 AM

9月3日に,及川代表ほか事務局メンバーと長野県弁護士会の有志の方々とで,ZOOM会議にて日弁連の政策やあり方について,変えよう!会の提言する政策を含め意見交換会を実施させていただきました。午前,午後で30人以上の方とお話をさせていただくことができました。

長野会の有志の皆様,ご多忙の中,貴重なご意見をたくさんいただきました。

ありがとうございました。変えよう!会内の議論に生かしていきたいと思います。

Content

①10時30分~12時

☆概要

1 及川代表の自己紹介

2 いただいた意見・意見交換

(1)荒執行部におけるコロナ禍の法テラスの対象範囲拡大について,会員への意見聴取や議論がないままに,政党への働きかけを行ったことに大変危惧を覚えた。会員の声をまったく聞かない組織になっているのではないかという懸念。

地域司法とIT化の件について,関心がある。

及川:自分は,千葉の松戸支部。千葉にも小さな支部はあり,裁判官が常駐していないなど問題を感じている。裁判所,検察庁は支部については縮小の傾向だとおもうが,支部は充実させる必要がある。

IT化は,ますます地方が空洞化するきっかけになりかねない。その点に危惧がある。

(2)法曹人口について,日弁連の検証本部の委員選任の問題(単位会の推薦を拒否した問題)などをみても,日弁連の意思決定が客観的になされていないと感じる。特に,地方単位会の声が切り捨てられている。

荒執行部は,地方単位会出身をアピールしていたが,なにもかわらなかった。

若手の声に耳を傾けて欲しい。

法務省や法テラス,外部への忖度が多く,言うべきことをはじめから言っていない

現在の日弁連には問題がある。

及川:宇都宮執行部のときには,会長が替わり,総長次長が替わったので,日弁連が変わった。ただ,その流れが続かないまま元に戻ってしまった。変革を継続していくためには,日弁連の意思決定ポストの人材を変える必要がある。

(3)日弁連に言いたいのは,「会員のほうを向いてほしい」ということ。

そのために,変えよう!会の政策にある総会改革はぜひ,実現して欲しい。現在の総会は,その場で良い批判的意見が出ても,聞き置くだけで多数派の委任状工作で決着してしまっている。これは良くない。

及川:おっしゃるとおりの問題を感じている。

総会改革を実現したい。

(4)最近独立したが,経営の観点からすると法テラスの報酬の安さには重大な問題がある。遺産分割の事件で,労力にまったくみあわない報酬決定がされて,驚いている。

「人権擁護活動」は大切だが,それは弁護士の生活,経営基盤がちゃんとしていてこそのもの。このままいくと,弁護士が薄利多売を強いられ,事件処理のクオリティが下がる懸念もあるとおもう。

国選報酬も安すぎる。法テラスの国選報酬体系は,自白事件を軽視している。謄写費用も200枚以下は出ないというのは不合理だ。手抜きでやってもよいということか。自分は自白事件でも,懸命に取り組んでいるが法テラスの報酬はそうではない。

及川:ご指摘の問題意識を共有している。

法テラスの現状には問題が多い。ほかの地域からも同様の不満を聞いている。取り組みたい。

(5)法曹人口問題について,日弁連執行部は,かたくなに「1500人程度」を維持しようとしている。自分にはその理由がわからない。普通の職業団体なら,とっくにもっと減員を目指して運動しているはずだが,日弁連はなぜなのか。

及川:日弁連自身がかっこつきの「司法改革」に一緒に関わってきた経過があるのだとおもう。過去のしがらみがある。政府の会議と日弁連をいったりきたりしているような人が枢要なポストについている。こういうしがらみを打破しないと,現在の日弁連の方針は変えることはできない。

(6)法曹人口問題について,東京と地方の需要のギャップが激しいことを正面から考える必要があるとおもう。

企業法務を中心とする弁護士は,若い弁護士を採りたいのではないか,そうすると東京の派閥の委任状で圧倒されてしまう。この点に無力感すら感じる。

及川:地方単位会の声を反映させるために,日弁連会長選挙における最低単位会トップ票獲得制度がある。宇都宮執行部のときには,この制度で地方単位会の声を受けた宇都宮弁護士が会長に就任した。地方単位会が結束すれば,できないことではない。

(7)最近独立したが,法テラスの収入に占める割合はそれなりにあるので,法テラスの運用には関心がある。報酬の基準問題もそうだが,手続の煩雑さが最近とくにひどくなっているように思う。無意味ともおもえる書類の提出を求められることがある。

また,婚姻費用の事件の場合,その都度依頼者から婚姻費用を弁護士が回収する仕組みには問題がある。婚姻費用は生活費なので,結局それは,弁護士が遠慮して報酬請求をあきらめるということになりかねない。不合理だと感じる。

及川:養育費や婚姻費用は,法テラスの立て替えで支払い,本人には免除を柔軟に認めるということも考えるべきだと思っている。その点についての不満は,他の会の弁護士からもよく聞く。

民事法律扶助のあり方は,法律扶助協会からの切り替わりの際にも,大きな議論があった。官僚化してきてい

(8)法テラスの国選,民事法律扶助には疑問をもっている。国選では,結果でしか判断されない。実刑ギリギリの事件で執行猶予になっても,その情状弁護の努力は考慮されない。報酬の基準が形式的すぎるようにおもう。

及川:政策の説明で述べたとおり,刑事弁護の報酬は,お金の問題だけではなく,弁護士の矜恃に関わる問題。変えよう!会としては非常に重視している。

(9)独立して数年目だが,法テラスの報酬の低さには,いつも疑問を感じている。

外国人の要通訳事件を担当しているが,いったん弁護士が通訳料を立て替えるというシステムも不合理だとおもう。すでに数十万円の立て替えとなっており相当の金額の負担だ。独立したばかりの弁護士だと負担に耐えられないのではないかと心配している。また,支払いが約2ヶ月先という支払い時期についても問題を感じている。

及川:日弁連の執行部は「法テラスの問題に取り組んでいる」とはいうものの,大きな成果はあがっていない。また,その手法も,会員にオープンにされていない。

現在の日弁連執行部は,トップ自らが率先して法テラスの報酬問題に取り組んでいない。トップが積極的でないと,動くものも動かない。会をあげて取りくまなければならない問題なのにそうなっていない。変えよう!会の政策では,会をあげて取り組む位置づけとしている。

(10)国選の通訳料については,立て替えや源泉徴収を弁護士がするなど問題が多いので改善して欲しい。

変えよう!会の政策には共感するが,地方にもっと支持をひろげていってほしいと思っている。

及川:おっしゃるとおりだと思う。現在コロナ問題で,地方単位会へ出かけてその場で生の声を聞くのが難しくなっている。本当は今日も長野県でじかに声をききたかったが,やむを得なかった。一人一人が,日弁連の問題に関心をもって,周りの人に広げていくことが一番大切だとおもっている。

会員の無関心は良くない。前回の日弁連会長選挙の投票率は,候補者が5人となり,政策論争がある程度活発化したことで,投票率も10%程度上がった。この流れを継続していく必要がある。

①13時30分~15時15分

☆概要

1 及川代表の自己紹介

2 いただいた意見・意見交換

(1)現在の日弁連のあり方には問題があると思っている。

会務をやたらに拡張していることも,疑問がある。

法曹人口問題の検証本部における対応も,当会や他会からの推薦を拒否するなど問題がある。地方単位会の軽視が著しいのではないか。
改革に期待したい。

(2)一番の懸案は,やはり法曹人口問題だと思うので,ぜひ1000人以下を実現して欲しい。
法曹人口問題について,現在のペースで増員すると毎年北海道弁連あるいは東北弁連の規模の人員がまるごと増えていくというのは大変わかりやすい。危機感を持っている。地方に新規登録がないというのは,若手弁護士も地方の法的需要が飽和していることを理解しているのではないかと思う。

及川:「地方に新規登録の人が行かない」というのは,登録替えの状況も踏まえて考える必要がある問題と捉えている。どんどん弁護士人口を増員して,都会からあふれ出した弁護士が地方に行くだろうという発想を日弁連執行部はしている節もあるが,そのような考え方は相当ではない。
過疎対策については別途政策の手当が必要で,総量を増やせば弁護士過疎が解消されるとは思わない。

(3)変えよう!会の政策がアップデートされて,共感できるものが多くなっていると感じた。法テラス問題の政策は,具体的で良いと思う。国選弁護事件についての人質司法の打破や罪を犯した人の入口支援なども共感する。報酬的手当が充実すれば,もっと取り組みやすくなるはず。

日弁連の組織改革の点も,共感する。多過ぎる会務や理事会の形骸化,日弁連の官僚化など実感するところもある。

法曹人口問題については,日弁連の中で司法基盤整備に熱心に取り組んできた人たちがいる。そのような人たちも共感できるような政策,あるいは国民の共感も重要なので,その点もフォローできるといいと思う。

及川:現在の日弁連は,「司法基盤整備に弁護士の数が必要」という姿勢であるようだが,最前線で無償奉仕に近い仕事をする若手の立場も考えると,それで良いのかと疑問を持っている。

ある程度の「やせ我慢」ももちろん必要だが,現在はそのバランスが崩れてしまっているという状態だと思う。国民世論の理解が必要ということも同感。ポピュリズムに陥らないようにはしたいが。

(4)法テラスの報酬,特に離婚事件など低すぎると感じる。原資は国費だけではなく,やはり利用者(受益者)の負担も相応に求めていって良いと思っている。

現在,不法滞在の外国人は,法テラスを利用できない。わかる部分もあるが,最初から利用できないとして一律に否定してしまう制度には,現場では疑問を感じることもある。

及川:民事法律扶助の費用負担のあり方をどう考えるべきかは,根本的で難しい問題だ。自分としては,基本的には給付の方向性を目指すべきと思うが,よく考えてみたい。

外国人の問題については,今後重要性が増していく。専門の委員会を日弁連に設置することも必要ではないかと思う。

(5)法曹人口問題は大きな問題だと思っている。

「地方に新規登録の人が行かない」というのは,そもそも地方で弁護士が足りないという実情が存在しない,ということではないかと思っている。

登録替えして来る人も結構いるので,まったく増えていないというわけでもない。

日弁連の問題の切り取り方は,実情にあっていないし,恣意的なものも感じる。

「安く若手弁護士を使いたい」という立場の人が,現在のような過剰増員を推進しているのではないかという気もしている。

(6)変えよう!会の政策には賛成。

法曹人口問題については,懸念している。

他士業は,業務拡大に必死だが,日弁連としてはどうすべきと考えるか。

及川:まず過剰増員にブレーキをかけて,立ち止まって考える必要があると考える。弁護士の態勢を立て直す必要がある。

業務拡大は拡充していくことには異論はない。精神保健福祉関係など,充実させたい分野もある。

(7)自分は,増員の中で弁護士になったので,人口問題のことについても現状を前提に考えており,問題の所在自体が今日の説明でよくわかった。

法テラスの報酬問題を1番目にとりあげているのは,その問題を実感する立場からすると共感できる。ただ,報酬の問題は,公費が入っている関係上,国家の予算の問題もあるのでその点をどう考えるかは課題だと思う。

及川:日本の法テラスに割かれている予算は,イギリスなどに比べても少ない。

収入基準をどこに置くかということも,課題としてあるので,さらに考えていきたい。

(8)収入や所得の中央値が下がっていることなどを知ると,客観的には過剰増員はストップする方向が妥当だと思う。

自分もそうだったが,若手弁護士は,問題意識を持っている人は多くない。
弁護士の数も,所与の前提のように考えていた。考える機会を与えてくれるのは,事務所のボスや先輩など。いま,コロナ問題で他の会員と話をする機会は減っている。この現状をどうしたらよいかと思った。

及川:自分も,「無関心」は大きな課題だと思っている。これをなんとかしたい。

まずは,「知ってもらう」こと。わたしたちが,HPなどで発信しても,多くの人には届きにくい。お話にもあったように,自分の知っている人,信頼している人からの話だと,関心をもってもらいやすいと思う。

日弁連のあり方は,弁護士一人一人の未来に関わること。メールやSNSなどで感想を述べるということでも良いとおもう。

(9)日弁連の副会長で女性副会長のクオーター制度というものもあるが,その選任過程が不明瞭ではないかと疑問を持っている。

法テラスに限らず,日本は司法予算がすごく少ない。全体的に司法がおろそかにされている。日弁連は,そのことを率先して発信して行かないといけない。

及川:女性副会長クオーター制の目的自体は良いが,その選任経過が不透明な点はご指摘の通り疑問がある。透明な選任経過として,会員に選考の理由をきちんと説明すべきだと思っている。
裁判官の弾劾裁判の報道などを見ていても,司法を取り巻く状況には,懸念がある。

(10)自分も,会務に取り組んでいるが,「無関心」ということに問題意識がある。いろいろ見て思うのは,日弁連が村社会化しているような気もする。

総会改革は実現してほしい。

及川:自分は,委員会活動を単位会でも日弁連もやってきたが,原動力は「楽しい」「尊敬できる先輩がいた」ということが大きかった。良き弁護士会の伝統を,次世代につなぎたいという気持ちがある。そのためにも日弁連はこのままでは駄目だと思っているので,政策を掲げて取り組みたいと思っている。

(11)法テラスの改革については,弁護士側にも法テラスの利用のメリットはあるので,現在の水準に落ち着いているという面もあるように思う。養育費から弁護士が自分で報酬を回収しなさいという法テラスのスタンスは,おかしいと思っている。

女性副会長のクオーター制も,運用次第では実質的不平等を招きかねない。

地方会の意見が反映されないということについては,もっと抜本的な政策を考えても良いのではないかと思う。

法曹人口問題については,弁護士は人権擁護の最後の砦なので,優秀な人が志願してくれないと困る,だがこのままでは優秀な人は来なくなると懸念している。

及川:弁護士の経済的基盤がしっかりしていないといけないのは,自分としてはそのプロフェッション性にあると考えている。高度な専門性と公益性を兼ね備えていないといけない。経済的な基盤が脆弱化すると,誰かに従属する弁護士になってしまう。それでは,弁護士に与えられた使命を果たすことはできない。

(12)(所用で中途退席された若手弁護士から頂いた感想)

弁護士に所轄官庁がないことのすばらしさ、それゆえに弁護士自治を死守する必要性を感じている。

弁護士は,在野から三権の一部を担う存在として,単なる民間事業者にならないためにも,法曹人口を適正に保つことも重要であると思う。

一方で「弁護士が既得権を主張している」と見られてしまうこともあるようだが,一般市民からはそのように見えてしまう面も否めないので,その点からも,弁護士自治と市民の信頼は必須の両輪ではないかといつも考えている。

「弁護士に対する信頼」あってこその弁護士自治であり,弁護士内部だけでなく,市民の支持ある弁護士の在り方が必要だと考えている。

以上

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