全国行脚日誌

2019年11月11日17時から 山形県弁護士会館

山形県弁護士会館は昔デパートだったビルの8階にあります。同会の会員は100人前後を行ったり来たりとのこと。小雨が降り出すなか、たくさんのみなさまにお集まりいただきました。いただいたご意見の概要は以下のとおりです。

・平成14年度に法律が作られて、法テラスがあっという間にできた。法科大学院も作られて、弁護士激増政策がとられた。これらの司法改革が始まる当時、弁護士が生き残れなくなる、と言っていたが、その予測どおりになった。弁護士が人権擁護という使命を果たせなくなってきているのではないか。

・若手弁護士が考えているのは人権擁護を果たすための経済的基盤をどうするのかということ。業務拡大が必要だが、結局、金脈はなかった。いったいどうすればよいのか。

・法テラスの報酬引き上げのためには、財源の問題がある。政治家と財務省を動かさないと変わらない。

・司法改革で弁護士自治が崩壊するのではないか、と懸念している。弁護士には、人権擁護と市民に対する法的サービスという、ふたつの顔がある。後者からすると、弁護士増加の方向、広告自由化ということになる。しかし、市民にアクセスする広告については、日弁連の役割であって、個々の弁護士に任せるのは良くなかった。それで、顧客獲得競争になった。都会から来て広告で顧客を集めている弁護士は儲かるところだけさらっていって、儲からず手間のかかる案件は地元に残される。それで本当に市民のためになっているのか。弁護士の基本を忘れているのでは。弁護士の使命を忘れてはいけない。

・60期代の弁護士が、10年ほどキャリアを積んで、新人弁護士を採用する側になってきて、就職状況が改善しているという見方もあるのでは。

(私の意見)
改善と見られている事情もあると思うが、仕事がたくさんあって採用しているのか、経費を負担してもらうために採用しているのか、労働条件や労働環境などにより短期間に辞めてしまうといった問題がないか、いまの状況が持続可能なのか、といった点も含めて検証が必要だと思う。いま改善が見られるとしても、法曹人口の問題は、30年40年といった長期で考える必要があり、そうすると、毎年1000人以上の合格者数はやはり破滅的な増員といわざるを得ない。

・地方会でも、新人の面倒を見てくれる、事件を回す、というのが難しくなっている。

・法曹コース、在学中受験といった法科大学院の改革に効果はあるのか。法科大学院を強制しないというのも1つの方法だが、その場合、法科大学院を修了したら司法修習を1年にするといったメリットを与える方法もあるのではないか。

・志願者激減で法曹の質は大丈夫なのか懸念している。

・女性弁護士が家事や育児と仕事や会務を両立していける環境が整っていないのに、女性クオータ制と言われても、できない。

・日弁連の会務が多すぎる。地元会でも10委員会くらい担当している。そうした負担が軽くなれば、独身のうちは、女性クオータ制に対応できるかもしれないが、家族があって子どもがいると無理だと思う。

・お金にならない仕事はたくさんあるが、弁護士が足りないということはない。

・司法試験合格者については1000人以下を支持する弁護士が過半数だと思う。ただ、どうせ変わらないだろう、実現できるのか、と懐疑的になっていて、それで動かないのだと思う。

(私の意見)
直ちに「法曹人口問題緊急対策本部」を作る。メンバーは各単位会、各弁連から少なくとも1人ずつを集める。院内集会を開く。各単位会で集会をする。市民団体と連携する。地方議会から地方自治法99条に基づく意見書を国会や関係行政庁に出してもらうなどする。貸金業法改正などの消費者運動による法改正や給費制維持緊急対策本部の活動の経験があるので、これを活かすなどすれば、実現できるはず。1500人台が4年続いて動かない、いまこそ1000人以下を強く主張するときではないか。

・山形は1000人の会長声明、総会決議を出しているが、理事は1年ごとに替わってしまう。継続性のある組織に、議論できる人を選出して、法曹人口問題に対応するきちんとした組織を作らなくてはならない。