重点政策案 第3:憲法と立憲主義を守る

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1 いわゆる「9条加憲論」など恒久平和主義に反する改憲に対しては、人権擁護団体としての日弁連の立場から、明確な反対意見を提出できるよう、早急に会内での意思統一を進めるべきと考えます。

(1)日弁連が、改憲の動きに対応すべく、会内合意形成のために多大な苦労を重ねていることには、素直に敬意を表します。2018年5月25日の日弁連定期総会において可決された「憲法に自衛隊を明記する憲法9条改正案に対し、国会での慎重審議と国民が熟議できる機会を保障するとともに、憲法改正手続法の見直しを求める決議」についても、さまざまな見方はありますが、一定の評価を受けていることも事実です。

 (2)しかしながら、これまでの日弁連の決議や宣言等に見られる基調をくり返すのみでは、恒久平和主義に反する改憲案が発議された場合、今後の人権保障に重大な悪影響を及ぼすことが明白であるにも関わらず、国民にその危惧を十全に伝えられない可能性が極めて高いと考えます。改憲の動きがいよいよ現実化していくなかでは、日弁連が明確に反対の意思表示を行い、改憲案の具体的な危険性を国民に訴えていく必要性が、ますます高まっているのではないでしょうか。

2 国家緊急権の創設に対し、日弁連として、明確な反対意見を提出できるよう、早急に会内での意思統一を進めるべきです。

国家緊急権とは、戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもってしては対応できない非常事態において、国家の存立を維持するために、憲法秩序を一時停止して非常措置をとる権限です。自由民主党の日本国憲法改正草案には国家緊急権が規定されています。
国家緊急権は、一時的にせよ憲法秩序を停止し、行政府への強度の権限集中と人権制約を伴うものであることから、行政府による濫用の危険性が高いものです。これまでの歴史を振り返ってみても、非常事態の宣告が正当化されないような場合であっても非常事態が宣告されたり、戦争その他の非常事態が去った後も速やかに憲法秩序を回復させることなく人権侵害がなされてきた例は枚挙にいとまがありません。

3 秘密保護法、共謀罪法、安保法等の悪法の廃止を求めます。

 日弁連は、従前は別々に設置されていた秘密保護法と共謀罪法の対策本部を「発展的に解消して」1つに統合し、これらを2018年に「秘密保護法・共謀罪法対策本部」としました。
今後とも、秘密保護法と共謀罪法、そして安保法の廃止に向けた活動を継続的に展開していく必要があります。